ゴ
『ゴリオ爺さん』
ごりおじいさん
オノレ・ド・バルザック·近代
バルザック『人間喜劇』の中核に位置する長編
文学
この著作について
1835年刊。オノレ・ド・バルザック(Honoré de Balzac)が構想した九十篇におよぶ大作群「人間喜劇」の中核に位置する長編で、同作家の代表作のひとつ。
【内容】
舞台は王政復古期パリの安下宿ヴォケー館。三人の主要登場人物が交錯する。地方から上京した法学生ラスティニャック、元製麺業者ゴリオ、素性の知れない謎めいた下宿人ヴォートラン。ゴリオは二人の娘に全財産を注ぎ込んだ末、貧困のなかで娘たちに見捨てられて死んでいく。ラスティニャックはゴリオの死の床でパリ社会の冷酷さを知り、墓地からパリ市街を見下ろして「さあ、勝負だ」と挑戦を告げて物語が閉じる。ヴォケー館の住人たちの詳細な描写、金貸し・囚人・貴族夫人のそれぞれの没落が、タイプ人物の展示会のように立ち並ぶ。
【影響と意義】
リアリズム小説の金字塔として、ドストエフスキー『罪と罰』、ゾラ『ルーゴン=マッカール叢書』、モーム『人間の絆』、現代のテレビ・ドラマの家族金銭闘争の原型に至るまで、膨大な影響を広げてきた。
【なぜ今読むか】
金・野心・家族の冷淡さという普遍的主題が、今の格差社会の風景と奇妙に響き合って迫ってくる。