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哲学断想

てつがくだんそう

ドニ・ディドロ·近代

理神論の立場から信仰と無神論を批判した断章集

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哲学文化・宗教

この著作について

ディドロが1746年に発表した最初の独自の哲学的著作である。原題は『Pensées philosophiques』。62の短い断章から構成され、若きディドロの思想形成期を映す重要な書物である。

【内容】

本書は理性と感情の調和を訴え、理神論の立場から論を進める。一方ではキリスト教の啓示宗教を、他方では当時広まりつつあった無神論をともに批判の対象とし、第三の道として自然と理性に基づく宗教を構想する。短く鋭い断章形式は、後の百科全書の項目執筆へとつながる思考様式の原型でもある。

【影響と意義】

出版直後にパリ高等法院の命によって焚書処分を受けたが、それがかえって本書の名声を高め、ディドロを一躍時代の論客として知らしめた。本書はフランス啓蒙の宗教批判の流れにあって、まだ唯物論には踏み切らない過渡期の証言として、ディドロ自身の思想的歩みを理解する鍵となる。

【なぜ今読むか】

権力による検閲が思想に与える影響と、それでも書き続ける作家の姿を伝える書物として、表現の自由を考える上で示唆に富む。短い断章の中に複数の立場を響かせる文体も、現代の批評的エッセイに通じる魅力を持つ。

著者

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