存
『存在するとは別の仕方で、あるいは存在の彼方へ』
そんざいするとはべつのしかたで
エマニュエル・レヴィナス·現代
他者への倫理的責任を存在論の彼方に求めたレヴィナス後期の主著
哲学倫理
この著作について
エマニュエル・レヴィナスが1974年に公刊した、『全体性と無限』(1961)と並ぶ彼の二大主著。ハイデガー的存在論を根本から乗り越え、他者への倫理的責任を全ての第一哲学に先行させる、レヴィナス後期思想の集大成である。
【内容】
「存在すること」の先に「他者のために存在する」という倫理的構造があることを論じる。他者は自我に吸収されえない絶対的な外部であり、他者の顔(visage)は私に無限の責任を課す命令として現れる。「身代わり(substitution)」「近さ(proximité)」「感受性(sensibilité)」「語り(dire)」対「語られたもの(dit)」といった独自の概念装置を通じて、存在論に還元されえない倫理の超越性が粘り強く追求される。
【影響と意義】
デリダ『暴力と形而上学』の主な対話相手として現代仏思想の中心問題となり、現代倫理学・政治哲学・ユダヤ思想・他者論の根本参照点。リクール、マリオン、ブランショ等に深く影響。
【なぜ今読むか】
他者への責任を存在論ではなく倫理の根源に据える試みとして、AI倫理の時代にもっとも深く響く古典。
著者
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