知
『知能の誕生』
ちのうのたんじょう
ジャン・ピアジェ·現代
乳幼児の知能発達を観察で跡づけた発生的認識論の土台
心理学
この著作について
1936年刊。ピアジェが自分の三人の子ども(ジャクリーヌ、リュシアン、ローラン)を日常的に観察した記録をもとに、乳児期の知能の発生を段階的に描いた発達心理学の古典。
【内容】
本書はまず、出生から二歳までの「感覚運動期」を六つの段階に区分する。反射の発動、初歩的な習慣の形成、偶然の発見、目的の意図的な遂行、新しい手段の探索、そして表象の内化と表象的思考の萌芽。それぞれの段階を、子どもがガラガラを振る・毛布を引き寄せる・隠された物を探す・言葉を真似るといった具体的な行動観察の記録とともに提示する。
【影響と意義】
本書によってピアジェは「発生的認識論」の出発点を据え、以降の『知能の心理学』『発生的認識論序説』、さらにはチョムスキーとの生得説をめぐる論争、ヴィゴツキーの「最近接発達領域」論への応答まで、現代の発達心理学の地図を決定づけた。教育学・児童心理学・人工知能研究(パパート『マインドストーム』)にも決定的影響を与えている。
【なぜ今読むか】
子育て中の観察日記としても読める平易さと、認識論の最前線とが奇跡的に両立した稀有な古典である。
著者
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