マ
『マインドストーム』
シーモア・パパート·現代
子どもが自らプログラムで考えるLOGO教育の古典
教育科学
この著作について
シーモア・パパート(Seymour Papert)が1980年に刊行した教育思想・計算機科学の古典(原題『Mindstorms: Children, Computers, and Powerful Ideas』)。MIT メディアラボの前身となった LOGO プロジェクトの理論的マニフェストであり、構成主義教育とコンピュータ科学を橋渡しする記念碑的著作である。
【内容】
パパートはジュネーヴ時代にジャン・ピアジェの直下で学んだ発達心理学者であり、ピアジェの構成主義を「構築主義(constructionism)」へと発展させた。子どもは知識を受動的に学ぶのではなく、世界に向けて自分で作る行為(プログラミング、制作、実験)を通じてもっとも深く学ぶ。本書では、タートル・グラフィックスを動かす LOGO 言語での経験を通じて、子どもが数学的思考・幾何学・再帰・プロジェクト管理を自然に獲得していく様子が豊富な実例とともに語られる。学校教育の前提を揺るがす「コンピュータは教育の革命装置となりうるか」という問いが、具体的な実践報告と理論的省察の往復運動のなかで検討される。
【影響と意義】
本書は、後のスクラッチ(Mitchel Resnick)、レゴ・マインドストーム、ワンラップトップ・パー・チャイルド運動、ジェネレーティブAI教育論の直接の源流となった。構成主義教育・メイカー教育・STEM/STEAM教育・コーディング教育の理論的出発点として、教育学と計算機科学の境界で読み継がれている。
【なぜ今読むか】
生成AIが学習を肩代わりする時代に、子どもが自分の手で作ることでしか得られない深い学びの意味をもう一度問い直す必要がある。