発
『発生的認識論序説』
はっせいてきにんしきろんじょせつ
ピアジェ·現代
認識の発生を科学的に追う発達認識論の要約
心理哲学
この著作について
ジャン・ピアジェが1968年にコロンビア大学で行ったウッドブリッジ記念講義に基づき、1970年に英語で、翌71年にフランス語で公刊した発達認識論の要約。50年以上にわたる研究の集大成を、200ページ未満の短さに凝縮した代表的入門書である。
【内容】
全5章。ピアジェの中心主張は、認識は生得的に与えられるのでも、経験から純粋に受動的に形成されるのでもなく、主体と対象の相互作用のなかで段階的に「構成」されるというものである。感覚運動期・前操作期・具体的操作期・形式的操作期という発達段階と、同化と調節の均衡化プロセス、数・空間・時間・因果性といった基本概念が発生する実験的証拠を、簡潔に整理する。認識の普遍性を哲学的直観ではなく子どもの観察から再構築する方法論が本書の核心である。
【影響と意義】
教育心理学、認知科学、数学教育改革、発達心理学のあらゆる分野で1970年代以降の基本文献となった。後のヴィゴツキー、ブルーナー、ガードナーらの理論も、本書を前提として展開される。
【なぜ今読むか】
AIの学習アルゴリズムと子どもの発達を比較する時代に、構成的認識という発想は改めて鮮明である。認知発達の古典を短く把握できる貴重な入門書である。
著者
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