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翁問答

おきなもんどう

中江藤樹《なかえとうじゅ》·近代

日本陽明学の祖・中江藤樹が孝を中心に説いた対話形式の教訓書

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哲学日本

この著作について

近江聖人・中江藤樹が1640年ごろに執筆した日本語による道徳教訓書。師と弟子の問答形式で日常倫理と人生の心得を説いたもので、日本陽明学の代表作の一つとして、広く庶民にも読まれた江戸初期の思想書である。

【内容】

孝を万徳の本とする藤樹の立場が全編を貫く。父母への孝養、君臣関係、夫婦和合、仕事への誠、学問の姿勢、日常の言葉遣いまで、儒学の古典を引きながら平易な日本語で論じる。前半は朱子学を基盤とするが、後半になると陽明学的な「良知」「致良知」の発想がはっきり出てきて、「知行合一」を日常実践へ接続する独特の倫理観が示される。

【影響と意義】

弟子・熊沢蕃山を通じて江戸政治思想に連なり、幕末維新期には吉田松陰、西郷隆盛、三島中洲ら多くの志士に読まれた。民衆教化の書として明治以降も教科書に採録され、日本人の日常倫理形成に寄与した。内村鑑三代表的日本人でも藤樹が一章を占め、国際的に紹介された。

【なぜ今読むか】

家族関係・仕事倫理・自己修養の原点を問う現代日本人にとって、500年近く生き続けてきた日常倫理のモデルケースとして読む価値がある。

著者

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