毛
『毛沢東と周恩来』
もうたくとうとしゅうおんらい
矢吹晋·現代
毛沢東を厳格な父、周恩来を寛容な母に見立て、二人の素顔と中国の社会主義を検証する新書
政治入門
この著作について
矢吹晋《やぶきすすむ》が書き、講談社が1991年10月に講談社現代新書の一冊として刊行した、毛沢東《もうたくとう》と周恩来《しゅうおんらい》の二人を対にして描く本である。毛沢東を厳格なる父、周恩来を寛容なる母にたとえ、刊行当時の最新の資料から二人の素顔に迫り、二つの巨星が作りあげた中国の社会主義を検証する。内容紹介は二人を田舎っぺ皇帝と気配り宰相とも呼んでいる。
【内容】
本書は4章からなる。第1章「厳格なる父、寛容なる母」は、「ゲリラとしての毛沢東」と「師爺としての周恩来」を並べ、二人の素顔と二人の妻たちを扱う。第2章「毛沢東神話の誕生」は、二人の出会い、遵義会議《じゅんぎかいぎ》での逆転、毛主席の登場の順に進む。第3章「皇帝と宰相」は中華人民共和国の成立に始まり、「大躍進=暴走する毛沢東」、文化大革命のなかの周恩来、新外交と孤独な皇帝を取りあげる。第4章「巨星、落ちて」は、毛沢東の評価と宰相周恩来の功罪を論じて終わる。
【影響と意義】
新書238頁の分量に、二人の素顔と出会いから、建国後の大躍進と文化大革命、毛沢東の評価と周恩来の功罪までを収める。毛沢東一人ではなく、毛沢東と周恩来という二人を組み合わせ、二人が作りあげた中国の社会主義を検証する構成が、この本の枠組みである。
【なぜ今読むか】
刊行は1991年10月で、内容紹介は天安門以後を占うことも掲げている。建国前から文化大革命、二人への評価までの中国の歩みを、二人の指導者の関係からたどりたい読者の手がかりになる。
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