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空海《くうかい》入門:弘仁のモダニスト

くうかいにゅうもん

竹内信夫·現代

現地調査と精緻な著作解釈に基づく空海の入門書。

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哲学

この著作について

フランス文学・思想史を専門とする研究者の竹内信夫が、空海の生涯と思想を入門的に提示した一冊である。1997年にちくま新書として刊行され、2016年にはちくま学芸文庫から増補版が出された。著者は専門のフランス思想を介しつつも、長年にわたる空海研究の蓄積を踏まえて執筆した。【内容】空海の足跡を追って中国留学の道筋や高野山開創の地を実地に踏査した経験と、三教指帰聾瞽指帰『弁顕密二教論』十住心論といった主要著作の精緻な読解を組み合わせ、空海像を立体的に描き出す。副題の「弘仁のモダニスト」が示すように、空海を古代仏教の枠を超えた革新者として位置づける視点が一貫して貫かれており、唐から最新の知を持ち帰り日本社会に組み入れた知的革新者としての横顔を浮かび上がらせる。【影響と意義】伝統的宗派の枠内にとどまらず、思想史・文化史の文脈で空海を読み直す試みとして、入門書ながら学術的にも一定の影響を与えた。海外文学の研究者ならではの比較文化的視点が独自の魅力を生んでいる。【なぜ今読むか】神秘化されがちな空海像を解体し、9世紀の知的革新者としての姿に近づけてくれる。日本思想史への入口として読みやすい一冊である。

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