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『イスラーム文化』
いすらーむぶんか
井筒俊彦《いづつとしひこ》·現代
井筒俊彦《いづつとしひこ》によるイスラーム文化の本質的理解を促す名著
宗教入門
この著作について
イスラーム学者・井筒俊彦《いづつとしひこ》が、イスラーム文化の多層的構造を内在的視点から解き明かした、日本語で書かれたイスラーム入門の名著。
【内容】
本書は、イスラームの宗教生活を三つの層に分けて理解するモデルを提示する。第一はコーランとハディースに基づく法(シャリーア)の外的・規範的層、第二にカラーム神学と哲学が展開する知的・合理的層、第三にスーフィズムが深める内的・体験的層である。コーランの世界観が、この三層でどのように表現と展開を遂げたかが、順を追って解き明かされる。ガザーリーやイブン・アラビーへの言及も豊富で、東洋思想との比較にも示唆を与える。
【影響と意義】
日本におけるイスラーム理解の質を決定的に高めた古典的入門書であり、比較宗教学・東洋哲学への展望を開いた。著者のイスラーム哲学研究と東洋思想研究を架橋する位置にあり、後の大著『意識と本質』への導入としても読める。
【なぜ今読むか】
「外から」ではなく「内から」イスラームを描こうとする姿勢が貫かれ、異文化理解の模範的実践となっている。中東情勢や移民・宗教対話の議論で、偏った情報に疲れた読者にとって、静かで信頼できる水先案内の書となる。
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