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法然《ほうねん》上人絵伝

ほうねんしょうにんえでん

作者不詳·中世

浄土宗開祖・法然の生涯を描く鎌倉後期の絵巻物

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宗教日本

この著作について

鎌倉時代後期、14世紀初頭に完成した浄土宗の開祖・法然上人源空の生涯を描いた絵巻物。全48巻という大部で、鎌倉仏教絵伝群のなかでも最大規模を誇り、知恩院所蔵本が国宝に指定されている、日本美術史・仏教史双方にとって第一級の作品である。

【内容】

法然の幼少期から、叡山での修行、専修念仏への回心、選択本願念仏集の執筆、信者たちとの交流、旧仏教からの迫害と流罪、そして晩年の京都での死までが、優美な大和絵の筆致で描かれる。全巻の絵と詞書により、鎌倉中期〜後期の寺院・風俗・衣服・調度・交通の様子が豊富に記録され、中世の社会史資料としても価値が高い。

【影響と意義】

一遍《いっぺん》聖絵親鸞《しんらん》聖人絵伝と合わせて鎌倉仏教三大絵伝群の一つ。知恩院所蔵本(通称「勅修御伝」)、琵琶湖浄厳院本、岡崎大樹寺本など複数の系統が存在し、浄土宗布教における視覚メディアとして600年以上活用されてきた。

【なぜ今読むか】

中世の宗教実践と視覚文化が一体となった稀有な資料として、現代人にも直接に訴えかける力を持つ。法然の思想を文字で追うより、絵と詞書の連なりで時間を追って眺めることで立体的に理解できる。

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