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『ニーチェ』
マルティン・ハイデガー·現代
ニーチェを西洋形而上学の完成者として読むハイデガー大講義
哲学
この著作について
マルティン・ハイデガーが1936〜40年のフライブルク大学で行った四つの連続講義をまとめ、1961年に二巻本として公刊した大著。後期ハイデガーの形而上学史構想の中核をなすニーチェ解釈である。
【内容】
「芸術としての力への意志」「同じものの永遠回帰」「認識としての力への意志」「ヨーロッパのニヒリズム」の四部構成で、ニーチェの遺稿集『力への意志』を軸に、ニーチェ哲学を西洋形而上学の完成にして終焉と位置づける。「力への意志」は存在者《そんざいしゃ》の何であるか(essentia)を、「永遠回帰」は存在者の在り方(existentia)を規定し、両者によって形而上学は自己を完成させると同時に超克《ちょうこく》不可能な袋小路に陥ると論じる。ニヒリズムは偶発的な思想的立場ではなく、西洋の運命的帰結だとされる。
【影響と意義】
戦後の現代思想におけるニーチェ受容の基本枠組みを与え、デリダ、ドゥルーズ、フーコーらのニーチェ解釈は全てこの著作との対決を経ている。ハイデガー自身の後期思想(存在の歴史・技術論)の重要な基盤でもある。
【なぜ今読むか】
ニヒリズムと技術の時代の本質を問う現代的思索の原型となるテクスト。
著者
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