増
『増補ハーバーマス――コミュニケーション的行為』
はーばーます こみゅにけーしょんこうい
中岡成文·現代
ハーバーマスのコミュニケーション理論を解説した入門書
哲学入門
この著作について
哲学者・中岡成文《なかおかなりふみ》が、現代ドイツを代表する思想家ユルゲン・ハーバーマスの全体像を体系的に提示した入門書(現代思想の冒険者たちシリーズ、増補版)。
【内容】
本書はまず、初期の『公共性の構造転換』で示された市民的公共圏の成立と変容の歴史的分析から始まる。続いて、中期の『コミュニケイション的行為の理論』における「生活世界の植民地化」「理想的発話状況」「討議倫理学」といった中心概念が解説される。後期の『事実性と妥当性』における討議民主主義と熟議的立憲主義、「憲法パトリオティズム」の構想、ポストナショナル・デモクラシー論までが、一本の問題関心のもとで読み解かれる。増補版では、九・一一以降の政治的論点や宗教との対話にも目が配られる。
【影響と意義】
日本におけるハーバーマス研究の標準的案内書として広く用いられてきた。討議民主主義論、公共圏論、熟議政策形成の議論を学ぶ際の出発点となる。
【なぜ今読むか】
SNSでの議論が極端化し、公共的な対話の場が壊れつつあると感じられる時代に、「どのような対話が民主主義を支えうるか」という問いに古くて新しい枠組みを提供してくれる一冊である。