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栄西《えいさい》

えいさい

多賀宗隼《たがそうじゅん》·現代

臨済禅の祖・栄西の生涯と業績を辿る評伝

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哲学仏教歴史

この著作について

中世史家の多賀宗隼《たがそうじゅん》が日本臨済禅の祖・栄西の生涯と業績を基礎文献の精査に立って解明した評伝である。吉川弘文館の人物叢書として1965年に刊行され、1986年に新装版が出された。

【内容】

備中の神官の家に生まれ比叡山で修学した栄西が、二度の入宋を経て臨済禅を伝え、博多に聖福寺、京都に建仁寺を開くまでの歩みが時系列に沿って描かれる。比叡山との関係、禅密兼修の立場、興禅護国論の執筆事情、東大寺勧進や鎌倉幕府との結びつき、さらに喫茶養生記に代表される茶祖としての側面まで、史料に即して着実に再構成される。栄西をめぐる虚実の伝承を整理し、信頼できる歴史像を提示した点に本書の価値がある。

【影響と意義】

人物叢書という形式の制約の中で、入手可能な史料を網羅し批判的に検討する手堅い手法は、戦後日本における中世仏教史人物研究の標準を示した。禅宗史と中世政治史をつなぐ視座も得られ、栄西理解の出発点として今も参照され続けている。

【なぜ今読むか】

茶道や坐禅を通じて栄西の名に触れる機会は多いが、その実像を知る読者は意外に少ない。鎌倉新仏教が生まれた現場を、地に足のついた評伝で追体験できる一冊である。

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