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ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学

よーろっぱしょがくのききとちょうえつろんてきげんしょうがく

エトムント・フッサール·現代

フッサール晩年の主著で「生活世界」の概念を展開

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哲学

この著作について

現象学の創始者エトムント・フッサールが、ナチス台頭期のウィーンとプラハで行った講演を中核に編まれ、没後に完全版として刊行された晩年の主著。

【内容】

本書はガリレオ以来の近代科学が、数学的に記述される自然を実在そのものと取り違え、そこから切り離された仕方で日々生きられる世界=生活世界(レーベンスヴェルト)を忘却したと診断する。この「学問の基礎への忘却」こそがヨーロッパ諸学の危機であり、超越論的現象学のみがそれに応答できる、と主張される。数学化の歴史的起源の考察、心理学主義批判、歴史的に展開される現象学の方法、身体と間主観性の分析、そして生活世界の構造分析が順に展開される。未完のまま遺された付録・補遺が豊富に収められている。

【影響と意義】

「生活世界」概念はハイデガー後期の思想と並んで、メルロ=ポンティの身体論、ハーバーマスコミュニケーション的行為の理論、アルフレート・シュッツの社会学的現象学、科学社会学の社会構成主義にまで射程を広げた。科学技術社会論や持続可能性論における「科学と生活世界の乖離」という問題設定の源流でもある。

【なぜ今読むか】

データとアルゴリズムに生活が計測されていく今こそ、「数値化された世界」と「生きられる経験の世界」とのあいだに横たわる距離を問い直す必要がある。現代の科学技術と生活実感のずれを言葉にするための、理論的な足場となる。

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