処
『処世論』
しょせいろん
エマソン·近代
エマソン後期の講演をまとめた実践的人生論
哲学文学
この著作について
ラルフ・ウォルドー・エマソンが1851〜60年に各地で行った講演をまとめ、1860年に公刊したエッセイ集。『エッセイ論集』第一・第二に続くエマソン後期の代表作で、超越主義の抽象的理念を日常生活の実践知として練り直した一冊である。
【内容】
全9章。運命、権力、富、気質、教養、行動、作法、信仰、幻想といった主題を順に論じ、各章で「避けえない現実と、それに対処する自由な精神のあり方」が説かれる。運命に抗うのではなく乗りこなす力としての「教養」、富を蓄財としてではなく能力の現れとして見る視点、自分の気質と和解する技としての「行動」など、晩年のエマソンの現実的な人生哲学が詰まっている。
【影響と意義】
米国のセルフヘルプ文学の系譜(デール・カーネギー、スティーブン・コヴィー)の遠い祖先として機能し、ニーチェの中期思想(とくに『悦ばしき知識』)への直接の刺激でもあった。日本では新渡戸稲造《にとべいなぞう》らが愛読した。
【なぜ今読むか】
「運命を受け入れつつ自分の精神の自由を保つ」という技法は、不確実性の高い時代にこそ効く。短い章単位で拾い読みできる。
著者
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