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ロシアにおける資本主義の発達

ろしあにおけるしほんしゅぎのはったつ

ウラジーミル・レーニン·近代

ナロードニキ批判を統計で実証したレーニン初期主著

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哲学経済学マルクス主義

この著作について

ウラジーミル・レーニンがシベリア流刑中に執筆した初期の主著。原著は一八九九年にペテルブルクで刊行された。十九世紀末ロシアにおける農民層の階級分解と資本主義的市場の形成を、膨大な統計データに基づいて実証したマルクス主義経済分析の代表作である。

【内容】

本書は、当時の左派思潮を二分していた論争、すなわちロシアは西欧型の資本主義段階を迂回して農村共同体(ミール)から直接社会主義に移行できるとするナロードニキの主張に対し、決定的な反論を提示するために書かれた。第一部は商品流通と国内市場の形成、第二部は農村における階級分化と農業資本主義の発展、第三部は工業の発展と労働者階級の形成を扱う。県別の家計調査・徴税統計・工場統計など多種多様な一次データを駆使し、ロシアの農村社会がすでに不可逆的に資本主義化の途上にあると論証している。

【影響と意義】

本書はロシア・マルクス主義の理論的基礎を据え、ロシア社会民主労働党の戦略的方向性を決定づけた。後年の帝国主義論国家と革命に至るレーニン思想の出発点であり、二十世紀の社会主義革命と発展経済学の議論に長く影響を与え続けている。

【なぜ今読むか】

資本主義の歴史的形成過程を一国の具体例に即して読み解く本書は、グローバル資本主義の現状を過去の経験に照らして考えるための材料に満ちている。経済史と政治思想の交差する地点を体感したい読者に勧めたい。

著者

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