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『ブラフマ・スートラ:シャンカラの註釈』
ぶらふますーとらしゃんからのちゅうしゃく
シャンカラ·古代
不二一元論を体系化したシャンカラ最大の註解書
哲学宗教インド思想
この著作について
8世紀インドの思想家シャンカラによる、ヴェーダーンタ哲学の根本聖典『ブラフマ・スートラ』への註解書(Brahmasūtrabhāṣya)である。バーダラーヤナの作とされる原典スートラを逐一解釈しながら、不二一元論(アドヴァイタ・ヴェーダーンタ)を体系的に論証した、シャンカラの主著にして思想的金字塔である。
【内容】
四篇に分かれ、ブラフマンの本性・世界の派生・解脱への道・解脱の状態が論じられる。シャンカラはここで、唯一実在するのはブラフマンのみであり、現象世界は無明《むみょう》(アヴィディヤー)に基づく仮現にすぎないと主張する。アートマン(自己)はブラフマンと同一であり、両者の同一性を直観することが解脱に他ならない。論敵としてサーンキヤ・ヴァイシェーシカ・仏教・ジャイナ教・ミーマーンサーが取り上げられ、それぞれを精緻に論破する。
【影響と意義】
インド思想史において、ヴェーダーンタを体系化した記念碑的著作である。後のラーマーヌジャ・マドヴァらの註釈はすべて本書との対決を通じて自己を定立した。近代ではドイツ観念論やショーペンハウアーにも間接的影響を及ぼした。
【なぜ今読むか】
意識と世界の関係を根底から問い直す思索として、現代の意識研究や東西比較哲学に新鮮な刺激を与え続けている。
著者
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