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『あらゆる啓示批判の試み』
あらゆるけいじひはんのこころみ
ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ·近代
カント的批判哲学で啓示宗教の可能性条件を論じたフィヒテ最初の主要著作。
哲学
この著作について
フィヒテが1792年に刊行した最初の主要著作。カント的批判哲学の方法を宗教の領域に適用し、啓示宗教がいかにして可能であるかという可能性条件を論じる。当初は出版の事情から著者名を伏せた匿名で刊行された。
【内容】
理性宗教の枠組みのなかで、神からの啓示という観念がそもそも矛盾なく成立しうるかを問い、その条件を実践理性の道徳法則との関係から導き出す。啓示は道徳法則の感性的呈示として、人間が道徳的義務を自覚するための補助手段でありうると論じた。カントの宗教論を先取りし、独自に展開する内容となっている。
【影響と意義】
匿名刊行であったため、待望されていたカントの宗教書として読まれて絶賛され、カント自身が著者を明かしてフィヒテを推薦する事態となった。この一件によってフィヒテは一夜にして哲学界の新星となり、のちのイェーナ大学招聘につながる。ドイツ観念論の出発点を画す事件であった。
【なぜ今読むか】
理性と信仰の関係をいかに哲学的に整理しうるかという問いは、現代の宗教哲学においてもなお開かれている。
著者
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