う
『うひ山ぶみ』
ういやまぶみ
本居宣長《もとおりのりなが》·近代
国学入門を初学者に向けて書いた宣長の学問心得
哲学日本
この著作について
本居宣長が1798年、69歳のときに門人の求めに応じて執筆した短い国学入門書。書名は「初めての山登り」の意で、国学の学問にこれから向かおうとする初学者に向けた学問心得の書である。
【内容】
短い本文と注から成り、学問の順序、資料の選び方、師につく意義、読書の心得、和歌と漢文の位置づけ、古典の読み順などを、宣長自身の経験をもとに平易に説く。とくに「道は学問にあらず」として、理屈ではなく古代の人々の「まごころ」に触れることこそ国学の目的だと強調する。『古事記伝』の方法論的序論としても読め、35年をかけた巨大な注釈作業の背後にある学問観が短く凝縮されている。
【影響と意義】
宣長没後、国学志望者の標準的入門書となり、平田篤胤、伴信友、矢野玄道らを経て近代の日本思想史研究にまで影響を与えた。本居春庭《はるにわ》、鈴木朖《あきら》らの言語研究とも接続し、国学的言語意識の広がりに寄与した。
【なぜ今読むか】
学問とは何をどう学ぶことか、という問いを、抽象論ではなく具体的な手順として語る稀有な書。独学で古典に向かう現代の読者にも、実用的な指針を与える。
著者
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