十
『十二夜』
じゅうにや
ウィリアム・シェイクスピア·近代
男装の若き令嬢が起こす恋の三角関係を描くシェイクスピア喜劇の到達点
文学
この著作について
ウィリアム・シェイクスピアが1601〜02年頃に執筆したとされる五幕の喜劇。『お気に召すまま』と並ぶシェイクスピア喜劇の最高傑作で、ジェンダー・自己同一性・憂鬱と喜びの交錯を扱った、爛熟期の作品である。
【内容】
船で難破し双子の兄と生き別れたヴァイオラは、男装しセザーリオと名乗って、イリリア公爵オーシーノの小姓として仕える。公爵はオリヴィア伯爵令嬢に恋しているが、オリヴィアはセザーリオ(実は女性のヴァイオラ)に恋をしてしまう。並行して執事マルヴォーリオへの悪戯、道化フェステの歌、酔っ払いのサー・トビーと間抜けな求婚者サー・アンドルーの茶番が組み合わさり、最後は双子の兄セバスチャンの登場で全てが解きほぐされる。
【影響と意義】
男装・ジェンダー流動性・自己同一性の主題を扱う現代的作品として、20世紀後半以降のクィア批評・フェミニズム批評で頻繁に読み直されている。道化フェステの「吹けよ風、狂え風」の歌は劇の憂愁を象徴する名句。
【なぜ今読むか】
性と恋の役割が流動化する現代社会において、400年前にこの主題を喜劇に昇華していた作品の先見性《けんしょう》が光る。
著者
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