近
『近代世界とプロテスタンティズム』
きんだいせかいとぷろてすたんてぃずむ
エルンスト・トレルチ·近代
プロテスタンティズムと近代社会の関係を多角的に論じた宗教社会学的著作
宗教哲学
この著作について
ハイデルベルク・ベルリン両大学で教えた神学者・歴史家エルンスト・トレルチ(1865〜1923)が、宗教改革以降のプロテスタンティズムが近代社会の形成に与えた影響を体系的に論じた一連の論考の総称。日本語版は岩波文庫所収の翻訳が読める。
【内容】
ルター派・カルヴァン派・宗派教会・ピューリタンといったプロテスタンティズムの諸潮流を「教会型」「ゼクテ(分派)型」「神秘主義型」の三類型に分類した社会学的視点を軸に、プロテスタンティズムが個人主義・近代国家・経済倫理・寛容思想・近代科学に与えた影響を多面的に分析する。マックス・ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理」テーゼに対する補完的・批判的応答としても重要である。
【影響と意義】
友人ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』と並ぶ宗教社会学の古典として、宗教と近代の関係をめぐる議論の基本枠組みを与えた。トレルチの「歴史主義」は20世紀ドイツ思想史の主要論点となり、後のニーバー兄弟やボンヘッファーらの政治神学にも継承されている。
【なぜ今読むか】
世俗化と宗教回帰が同時に進む現代世界において、宗教伝統と近代制度の絡み合いを長期視点で見直すための古典として読む価値がある。