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『トリスタンとイゾルデ』
リヒャルト・ワーグナー·近代
ショーペンハウアー思想を音楽化したワーグナーの全3幕の楽劇。
哲学
この著作について
リヒャルト・ワーグナーが台本と作曲の双方を手がけた全3幕の楽劇。1857年から1859年にかけて作曲され、1865年6月10日にミュンヘンのバイエルン宮廷歌劇場で初演された。中世ケルト由来のトリスタンとイゾルデの伝説を題材としている。
【内容】
媚薬によって結ばれた騎士トリスタンと王妃イゾルデの愛と死を描く。昼と夜、生と死、個と全体の対立を、愛による合一と死による解脱として歌い上げる。冒頭に響く「トリスタン和音」と呼ばれる半音階的な不協和音が解決を引き延ばし続ける手法は、調性音楽の限界に挑み、後の無調音楽への扉を開いた。
【影響と意義】
ワーグナーがショーペンハウアー哲学を熱心に受容したのちに着想した代表作であり、意志の否定と愛による救済という思想を音楽の構造そのものに翻訳した点で画期をなす。ボードレール、ニーチェ、ドビュッシー、シェーンベルクら多くの芸術家・思想家に決定的な影響を与えた。
【なぜ今読むか】
哲学思想がいかに芸術形式を変革しうるかを示す古典として、思想と表現の関係を考えるすべての人に開かれている。
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