あ
『ありふれたものの変容』
ありふれたもののへんよう
アーサー・C・ダントー·現代
現代美術の哲学的理解の出発点となった芸術定義論
哲学芸術
この著作について
コロンビア大学の哲学者・美術批評家アーサー・C・ダントー(1924〜2013)が1981年に刊行した『The Transfiguration of the Commonplace: A Philosophy of Art』の邦訳。現代分析美学の代表的著作である。
【内容】
アンディ・ウォーホルの「ブリロボックス」を筆頭に、外見的にはありふれた物と区別がつかない作品が芸術として成立する事態を、芸術哲学の根本問題として正面から扱う。ダントーは、ある対象が芸術作品となるためには「アートワールド(芸術世界)」と呼ばれる解釈の共同体的文脈と、芸術理論の歴史が不可欠であると論じる。芸術と単なる物体を区別する境界は、外的特徴ではなく、解釈と歴史によって与えられる「意味」と「物質的具現化」の関係にある。
【影響と意義】
本書はダントーの後の『芸術の終焉』『芸術とは何か』とともに、現代芸術哲学の標準的参照点となった。「ヘーゲル=ダントー流の歴史的芸術観」は、ノエル・キャロル、グラント・コークルウェル、ダニエル・ヘルウィッツら次世代の芸術哲学者によって発展させられ続けている。
【なぜ今読むか】
AI生成芸術、NFT、現代アートをめぐる「これは芸術か」の論争に、最も精緻な哲学的枠組みを与えてくれる必読書である。