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トクヴィル:平等と不平等の理論家

とくゔぃるびょうどうとふびょうどうのりろんか

宇野重規《うのしげき》·現代

「平等化」を軸にトクヴィルを読み直す入門書

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哲学

この著作について

現代日本の政治思想史研究をリードする宇野重規によるトクヴィル論である。講談社選書メチエ389として2007年に刊行され、のち補章を加えて2019年に講談社学術文庫2551に収められた。

【内容】

宇野は「平等化」をキーワードに、アメリカのデモクラシー旧体制と革命を読み直す。トクヴィルにとって平等とは単なる理想ではなく、抗いがたい歴史の傾向であり、ゆえに同時に新たな不平等と専制を生む土壌でもあった。本書はこの両義性を踏まえつつ、結社、地方自治、宗教、教育がいかに自由を支える条件となるかを丁寧に解きほぐしていく。学術文庫版で増補された補章では、ポピュリズムとグローバリズムの時代におけるトクヴィルの今日性が論じられる。

【影響と意義】

コンパクトながら一次文献に密着した叙述で、専門研究者の評価と一般読者の支持を両立した点に特色がある。日本のトクヴィル受容に新たな水準を画した著作と言える。

【なぜ今読むか】

民主主義への期待と疑念が同居する現代において、平等が生み出す病理と希望の双方を見据えるトクヴィルの視線は重みを増している。学術文庫版で手軽に読める入口としても価値が高い。

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