残
『残りの時:パウロ講義』
のこりのとき ぱうろこうぎ
ジョルジョ・アガンベン·現代
アガンベンによるパウロ書簡の政治神学的読解
哲学政治神学
この著作について
【内容】ジョルジョ・アガンベンによるパウロ『ローマ人への手紙』の講義録である。原著は2000年刊、岩波書店から2005年に上村忠男訳で邦訳が刊行された。「ホ・ニュン・カイロス(今のこの時)」というパウロの語を起点に、終末論的な「残りの時」の概念を提示し、メシア的時間の構造を逐語的に分析している。書簡冒頭の十語をめぐる遅々とした釈義が、政治哲学的射程を持つ時間論へと展開していく。
【影響と意義】本書はベンヤミンの「歴史の概念について」と接続して読むことを明示し、現代の政治神学を構想する重要な一冊として位置づけられる。パウロのテクストを世俗の政治哲学として読み直すことで、主権・例外状態・救済といった概念の連関を組みかえる試みであり、アガンベンのホモ・サケル連作とも深く響き合う。
【なぜ今読むか】危機と緊急事態の言説が日常を覆う現在、メシア的時間という発想は通常の時間意識に裂け目を入れる手がかりとなる。神学的な語彙に身構えずに読めば、いま生きている時間とは何なのかを問い直す哲学書として強い力を持つ。
関連する哲学者
関連する哲学者と話してみる
