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三民主義

さんみんしゅぎ

孫文·現代

近代中国建国の理念を示した孫文の政治哲学講義

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政治アジア

この著作について

中華民国の建国者・孫文(そんぶん、1866〜1925)が1924年1月から8月にかけて広州で連続で行った16回の講演録。没後に編纂・公刊された、近代中国の政治哲学の根本文献である。

【内容】

三つの柱からなる。「民族主義」では、漢・満・蒙・回・蔵の五族協和のもとで清朝後の中国を多民族連合として再生させ、西洋列強の半植民地状態から解放することを説く。「民権主義」では、選挙・罷免・創制・複決という四つの直接民主主義的権力を人民に、立法・行政・司法・考試・監察という「五権憲法」に基づく統治権を政府に与える独自の制度設計を示す。「民生主義」では、土地の平均地権と資本の節制を柱に、共産主義でも放任資本主義でもない中間の道を構想する。

【影響と意義】

中華民国憲法の理念的基礎となり、国民党と中国共産党の両者にとって共通の思想的原点となった。台湾ではいまも公民教育の基本文献であり、東アジアの近代化論・民族自決論を考えるうえで欠かせない一次資料である。

【なぜ今読むか】

植民地支配からの独立と近代国家建設を一体のものとして構想した非西洋的民主主義の発想を一次資料で読める。21世紀の国家形成論にも示唆が多い。

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