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テンペスト

ウィリアム・シェイクスピア·近代

魔術・異郷・赦しを主題とするシェイクスピア最後期のロマンス劇

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文学

この著作について

ウィリアム・シェイクスピアが1611年頃に執筆した五幕の劇。彼の単独執筆作としては最後の作品とされ、魔術・異郷・赦しを主題とするロマンス劇の頂点と位置づけられる。

【内容】

ミラノ公国の元公爵プロスペローは、弟アントーニオに国を奪われ、娘ミランダとともに孤島に流れ着いて12年が経つ。魔術を身につけた彼は嵐(テンペスト)を起こして敵たちの船を島に漂着させ、精霊エアリエルと怪物キャリバンを従えつつ、復讐と赦しの間で思い悩む。娘ミランダと敵方の王子ファーディナンドの出会いが、新世界と旧世界の和解を象徴する。モンテーニュエセーの「食人族について」が劇のキャリバン像に影を落とすことも有名で、大西洋航海時代の「新世界」遭遇が劇の潜在的主題となっている。

【影響と意義】

プロスペローの魔術杖を折る最後の台詞は、シェイクスピア自身の舞台引退宣言と読まれてきた。植民地主義批評(キャリバン=被植民者)、ポストコロニアル理論、エコクリティシズムなど20世紀後半以降の読み直しの対象となっている。

【なぜ今読むか】

他者への赦しと、支配からの自発的撤退を同時に描く稀有な作品として、対立と和解の政治を考えるうえで古びない。

著者

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