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権利論

けんりろん

ロナルド・ドゥオーキン·現代

権利を切り札として擁護したドゥオーキン初期の法哲学論集

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法哲学政治

この著作について

ロナルド・ドゥオーキン(オックスフォード大学・ニューヨーク大学)が1977年に公刊した法哲学論集(原題『Taking Rights Seriously』)。ハートの法実証主義に対する最も鋭利な批判として現代法哲学の中心争点を形成した。

【内容】

ドゥオーキンは法を規則の体系として捉えるハートに対し、法には規則だけでなく「原理(principles)」が含まれると論じる。原理は規則のように適用が二者択一ではなく、重み付け(weight)を持つ規範であり、難しい事件(hard cases)では裁判官は規則ではなく原理に訴えて判決を導く。さらに、個人の権利は功利主義的計算を切り上げる「切り札(trumps)」として機能すると論じ、リバタリアンの自由市場論に対するリベラルな分配的正義の立場を擁護する。本書の議論はその後法の帝国(1986)でさらに発展する。

【影響と意義】

法実証主義/自然法論/法解釈主義の対立を深化させ、現代法哲学の中心テクストとなった。米国憲法解釈論、欧州人権法理論、日本法哲学にも影響大。日本では木下毅、小林公らによる訳を経て参照される。

【なぜ今読むか】

権利を功利計算に対して守る論証は、AI規制・プライバシー権・少数派保護などの現代的問題で今もそのまま生きている。

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