モ
『モードの体系』
もーどのたいけい
ロラン・バルト·現代
ファッションを記号論的に読み解いたバルトの大著
哲学
この著作について
ロラン・バルトが1967年にパリで公刊した、婦人ファッション誌の言語を対象とする記号論的分析の大著。『エル』『ジャルダン・デ・モード』誌のテクストを素材に、衣服という対象そのものではなく「書かれた衣服」の意味作用を解析する、構造主義期バルトの方法論的集大成である。
【内容】
全3部。まずソシュール言語学とイェルムスレウ記号論を援用して、ファッション記述の二重の分節(技術的コードと修辞的コード)を取り出す。次に、ファッション誌のキャプションに現れる季節、アクセサリー、色、素材のレトリックを、神話作用の道具として機能する仕方で精密に記述する。最後に、ファッション言語が「常に新しいが常に同じ」というパラドクスをもたらし、現代消費社会の時間意識を形作るメカニズムとして分析される。
【影響と意義】
ファッション研究を趣味の領域から学問的対象へ引き上げた画期的著作で、以後の文化研究、消費社会論、ブルデューの界理論、ボードリヤールの記号の政治経済学批判などに直接の影響を与えた。
【なぜ今読むか】
インフルエンサーと広告コピーがファッションを動かす時代に、「書かれた衣服」が欲望をどう組織するかを精密に解析した手つきは今こそ効く。バルト流の観察眼を体験する濃密な一冊である。
著者
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