存
『存在認識の道:存在と本質について』
そんざいにんしきのみち
モッラー・サドラー(井筒俊彦《いづつとしひこ》訳)·近代
17世紀イラン哲学者サドラーの存在論を井筒俊彦《いづつとしひこ》が訳した古典。
哲学
この著作について
17世紀イランのイスラーム哲学者モッラー・サドラー(サドル・アッディーン・シーラーズィー)の存在論的著作を、イスラーム学および東洋思想研究の世界的権威である井筒俊彦が翻訳した一冊である。岩波書店のイスラーム古典叢書として1978年に刊行された。【内容】存在と本質の関係、現実存在の本質に対する優位、存在の階梯的構造(ワフダト・アル・ウジュード)といった、サドラー哲学の中心主題が論じられる。イブン・シーナー以来の存在論の伝統を継承しつつ、イブン・アラビーの神秘主義的体験とスフラワルディーの照明哲学を統合し、論理的議論と直観的把握を独自に総合した「超越論的哲学(ヒクマ・ムタアーリヤ)」の核心が示される。【影響と意義】イラン・シーア派思想の主流を形作るサドラー哲学を、日本語で本格的に読めるようにした記念碑的翻訳である。井筒の長大な解題と訳注は、東洋哲学とイスラーム形而上学を架橋する独自の比較思想的思索の証言ともなる。【なぜ今読むか】西洋哲学とは異なる存在論的伝統がいかに精緻に展開されたかを知ることで、哲学の地理的偏りを越えた視点を得られる。井筒俊彦の比較哲学の出発点を確かめる意味でも価値が大きい。
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