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会沢正志斎·近代

幕末の尊王攘夷思想の理論的バイブルとなった水戸学の代表作

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政治江戸

この著作について

水戸藩士・水戸学者の会沢正志斎(あいざわせいしさい、1782〜1863)が1825年に著した政治思想書。幕末の尊王攘夷運動の理論的バイブルとなり、明治維新の精神的源泉の一つとなった重要文献である。

【内容】

全七篇(国体・形勢・虜情・守禦・長計・国体下・補遺)からなる。会沢は西洋列強の東アジア進出という危機認識のもと、日本の独自性を「国体」概念に求める。国体とは天皇による万世一系の支配と、それを支える神道武士道・農本主義の総体である。これに対する攘夷の論理が、儒教の大義名分論・水戸藩の修史事業の伝統と結合して展開される。具体的提案として、海防の充実、農民の生活安定、藩政改革、藩校による人材育成などが論じられる。本書は当初幕府寄りの保守的著作として書かれたが、結果的には反幕府的な志士たちの精神的支柱となった。

【影響と意義】

吉田松陰、橋本左内、藤田東湖らに広く読まれ、幕末勤王思想の中核テクストとなった。「国体」概念は明治憲法、教育勅語へと連なる近代日本国家論の出発点となる。同時に、戦前のナショナリズム言説の起源としても再評価・批判される対象。

【なぜ今読むか】

近代日本のナショナリズムと国体思想の理論的基盤を理解する不可欠のテクスト。

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