サ
『サラジーヌ』
オノレ・ド・バルザック·近代
バルザックの中編小説。バルト『S/Z』の対象作
哲学文学記号論
この著作について
【内容】オノレ・ド・バルザックが1830年に発表した中編小説である。彫刻家サラジーヌが、ローマで出会った歌姫ザンビネッラに激しく恋焦がれる物語である。だがザンビネッラの正体は去勢歌手であり、その真実が露わになる過程で倒錯した愛の構造が描き出される。邦訳は岩波文庫『サラジーヌ 他三篇』(芳川泰久訳)などで読むことができる。
【影響と意義】本作は文学史上の名作であると同時に、ロラン・バルトが『S/Z』においてテクスト全体を5つのコードに分解し、文の単位(レクシ)ごとに精読した対象作品として広く知られる。バルトはこの分析を通じて、読みうるテクストと書きうるテクストという区別を提示し、構造主義から後構造主義への転回点を象徴する作業を行った。
【なぜ今読むか】小説単体としても物語の妙味があるが、『S/Z』とあわせて読むことで、批評がテクストをどう解体し再編するかという作業を体感できる。読み解きの視点を増やしたい読者にとって、文学と理論をつなぐ理想的な題材である。
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