最
『最澄《さいちょう》』
さいちょう
田村晃祐·現代
吉川弘文館人物叢書の最澄評伝
哲学日本思想仏教
この著作について
【内容】吉川弘文館の人物叢書の一冊として1988年に刊行された評伝である。著者の田村晃祐は東洋大学教授で最澄研究の権威であり、『最澄教学の研究』など主要研究を著した。本書は伝記資料と教義の両面から天台宗開祖の生涯と思想を学術的に再構成する。生誕から比叡山入山、入唐求法、天台宗の開創、徳一との三一権実論争、大乗戒壇設立運動、そして空海《くうかい》との関係まで、節目ごとに丁寧に論じられる。
【影響と意義】最澄の伝記研究と教学研究を架橋した堅実な定本として、長く参照されてきた。徳一論争のように一般には踏み込みにくい教義論争についても、論点を整理してわかりやすく解説する筆致が高く評価される。新装版も刊行されており入手しやすい。
【なぜ今読むか】日本仏教の屋台骨を据えた最澄の生涯を、信頼できる研究水準で通覧できる入門書である。空海との比較や山岳仏教の成立過程など、関心に応じて広がりを持って読める構成も魅力である。日本仏教史を学ぶ起点として最初の一冊に推せる評伝である。
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