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相対性理論

そうたいせい りろん

アインシュタイン·現代

時間と空間の概念を根底から覆した物理学の革命

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科学

この著作について

アインシュタインが1916年に、専門家でない読者に向けて自ら執筆した相対性理論の解説書。

【内容】

特殊相対性理論と一般相対性理論の二部構成。特殊相対論では、光の速度はどの観測者から見ても一定だという原理と、等速運動する観測者のあいだで物理法則は同じだという原理から、時間と空間が観測者によって異なって測られる、という驚きの結論が示される。動く時計は遅れ、動く物体は縮み、エネルギーと質量は等価(E=mc²)であるといった帰結が、列車や稲光の思考実験で説明される。後半の一般相対論では、重力を時空そのものの歪みとして捉え直し、太陽のそばを通る光が曲がるという予測が紹介される。

【影響と意義】

ニュートン以来の時空概念を根本から書き換え、現代物理学の基盤となった。GPS衛星の時刻補正や宇宙論に直接応用されており、哲学的には時間と空間の本質をめぐる議論に新たな地平を開いた。

【なぜ今読むか】

一般読者向けに書かれているため、物理学の専門知識がなくても概念的な理解が得られる。「もし光の速さで旅したら時間はどうなるか」という思考実験は、今読んでも知的興奮を呼び起こす。

さらに深く

【内容のあらまし】

本書は二部構成で、まず特殊相対性理論の話から入る。アインシュタインは読者に難しい数式を浴びせる代わりに、走る列車と稲光の思考実験から始める。線路際に立つ観測者にとって同時に光った二つの稲光は、列車の中を進む乗客にとっても同時に見えるだろうか。少し考えると、列車が動いている以上、乗客は前方の光に近づきながら後方の光から遠ざかるため、二つは「同時ではない」ことになる。同時性すら観測者によって異なるという、常識を揺さぶる結論がこうして導き出される。

そこから議論は加速していく。光の速さがどんな観測者から見ても一定であるという原理を保つには、動いている時計は遅れ、動いている棒は縮まねばならない。エネルギーと質量は同じものの二つの顔であり、E=mc²という有名な等式が、難しい数式を経由せずに腑に落ちる形で説明される。

後半は一般相対性理論である。閉じたエレベーターのなかにいる人は、自分が地球の表面で立っているのか、宇宙空間で加速しているのか区別できない。重力と加速度は等価である、というこの「等価原理」を出発点に、アインシュタインは重力を時空の歪みとして読み替えていく。質量を持つ天体は、それ自身の周りの時空を曲げ、近くを通る光すらその曲がった道筋に沿って進む。太陽のそばを通る星の光は曲がるはずだ。この予測は1919年の日食観測で確かめられ、本書の正しさが世界に知れ渡ることになる。

最終章では、宇宙全体が有限でありながら境界を持たないという可能性が語られる。地球の表面が有限な面積でありながら端を持たないように、三次元空間も大きな球面のように閉じているかもしれない。物理学者が一般読者に向けて自分の発見を直接語りかけた稀有な記録であり、世界像が組み替えられていく現場の興奮を、そのまま追体験できる一冊である。

著者

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