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『文明論之概略』を読む

ぶんめいろんのがいりゃくをよむ

丸山眞男《まるやままさお》·現代

丸山眞男による福澤『文明論之概略』の精密な読解

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政治歴史哲学

この著作について

戦後日本を代表する政治思想史家・丸山眞男《まるやままさお》が、福澤諭吉《ふくざわゆきち》文明論之概略を一章ずつ精密に読み解いた講義録。岩波新書として上中下三冊で刊行された。

【内容】

本書は『文明論之概略』のテクストに即した逐条的な読みを基本とする。福澤がギゾーやバックルら西欧の文明史家から何を受け取り、どう日本の文脈に組み替えたのかを浮き彫りにしながら、緒言から末尾までを順に追う。文明・半開・野蛮の三段階論、惑溺の概念、智徳論、国体論、独立論など、福澤思想の核となるテーマが、原文の論理に沿って分析される。福澤の修辞の戦術、当時の日本社会への批判のどこに刃が向けられているかも丁寧に取り出される。

【影響と意義】

福澤研究の到達点の一つとして長く参照されてきた。丸山自身の戦後民主主義論・近代主義の問題意識が、福澤読解という形で結晶している点でも、丸山思想を理解する重要な鍵となる。本書を介して、『文明論之概略』は単なる啓蒙期の遺物ではなく、現代日本の自画像を考える素材として再発見された。

【なぜ今読むか】

「日本にとって近代化とは何だったのか」「外来の価値をどう受け止めてきたのか」という問いは、グローバル化のなかでなお生きている。原典と並走しながら丸山の読解を辿ることで、思想史を読む技法そのものを学べる。

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