価
『価格と生産』
かかくとせいさん
フリードリヒ・ハイエク·現代
オーストリア学派景気循環論の体系を提示したハイエク初期の主著
経済哲学
この著作について
フリードリヒ・ハイエク(1899〜1992)が1931年にロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで行った連続講義をもとに刊行した『Prices and Production』の邦訳。オーストリア学派景気循環論の事実上の体系書である。
【内容】
中央銀行が市場利子率を「自然利子率」より低く設定すると、企業は誤った長期投資へ資金を回し始め、迂回的な生産構造(資本の階段)が過剰に伸長する。やがて貯蓄不足と消費需要のずれが顕在化し、好況の根拠だった投資計画が一斉に崩れて景気後退と倒産の波が訪れる――。ベーム=バヴェルクの資本理論とヴィクセルの累積過程論を統合した独自の図解(後に「ハイエクの三角形」と呼ばれる)を用いて、景気循環の構造を理論的に描き出す。本書はケインズ『貨幣論』への対抗的応答として書かれ、その後のケインズとの大論争の口火を切った。
【影響と意義】
本書はオーストリア学派景気循環論の基礎文献として読み継がれ、リーマン・ショック以降は「過剰流動性が誤投資を生む」という洞察が再評価されている。マレー・ロスバード、ロジャー・ギャリソン、ジェフリー・ハーバートなど現代オーストリア学派経済学者の出発点となる古典である。
【なぜ今読むか】
中央銀行の超低金利政策がもたらす歪みを古典的視点で吟味するための、思想的源流となる一冊である。
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