算
『算術の哲学』
さんじゅつのてつがく
エトムント・フッサール·近代
数の概念を心理学的に基礎づけようとしたフッサールの処女作。
哲学
この著作について
フッサールが教授資格取得論文を発展させて1891年に刊行した処女作で、副題は「心理学的および論理学的研究」である。
【内容】数および算術の基礎概念を、心理的作用の分析にもとづいて基礎づけようとする試みである。集合、多数性、単位、計数といった概念を、それらが意識のなかでどのように構成されるかという観点から解明することを目指している。当時のフッサールは数学者ヴァイエルシュトラスと心理学者ブレンターノ双方の影響下にあり、数学の哲学的基礎づけを心理学に求めていた。
【影響と意義】本書はフレーゲから心理主義的傾向を厳しく批判され、フッサール自身もその後方針を転換する。この転換が『論理学研究』第一巻における心理主義批判へとつながり、現象学誕生の道を開いた。フッサール思想の出発点であると同時に、克服されるべき自身の前史としても重要な書である。
【なぜ今読むか】思想家がいかに自らの初期立場を乗り越え新たな哲学を生み出すかを示す好例として、現象学を深く理解したい読者にとって意義深い著作である。
著者
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