現
『現象学は〈思考の原理〉である』
げんしょうがくはしこうのげんりである
竹田青嗣·現代
竹田青嗣が現象学の核心を日本語で分かりやすく解説した入門書
哲学
この著作について
フッサール研究と思想評論を往復する哲学者・竹田青嗣《たけだせいじ》が、現象学を哲学全般の思考原理として捉え直すために書き下ろした入門兼主張の書。
【内容】
本書は「知ることはなぜ可能か」という根本問題を出発点に、フッサールの志向性、エポケー(現象学的還元)、本質直観という三つの道具立てを丁寧に解説する。著者は、これらを難解な学説としてではなく、「意味は意識の内側で確信として立ち上がる」という日常の確信形成の記述として読み直す。この視点から、客観主義と相対主義の両極を退け、他者と共有できる意味の成立を説明するのが現象学の根幹であるとされる。後半では、ハイデガー、メルロ=ポンティ、サルトルの展開、さらに著者自身の「欲望論」的読解が示される。
【影響と意義】
日本語圏で現象学の一般読者向け入門として広く読まれてきた一冊であり、著者の『現象学入門』『欲望論』とあわせて、戦後日本のフッサール受容の一つの到達点を形づくる。哲学以外の教育学・心理学・日本語教育の分野にも読者を獲得してきた。
【なぜ今読むか】
「客観的な真理はない」と「みんな自分の解釈でしかない」の中間で悩みがちな現代に、確信はどうやって成立するのかを丁寧に考え直す道具を与えてくれる。哲学を対話の技法として学びたい人に最適の入り口である。