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オリエンタリズム

エドワード・サイード·現代

西洋が「東洋」という表象を通じていかに植民地支配を正当化し再生産してきたかを分析した、ポストコロニアル理論の古典的名著

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哲学

この著作について

パレスチナ出身の比較文学者エドワード・サイードが、西洋が作り上げた「東洋」という表象を徹底的に解剖したポストコロニアル批評の出発点。

【内容】

本書はまず『オリエンタリズム』を、西洋が中東・北アフリカを中心とする他者を客体として研究し、描き、支配するために作り上げてきた言説の制度と定義する。ナポレオンのエジプト遠征に随行した学者たち、十九世紀イギリスとフランスの東洋学、ルナンのセム研究、植民地行政、フローベールやキプリングの文学、イギリスの中東政策、現代アメリカのメディア報道が次々に取り上げられる。フーコーの言説分析とグラムシのヘゲモニー論を下敷きに、知と権力の結びつきが帝国主義的支配をいかに支えたかが解き明かされる。

【影響と意義】

発表後、文学研究にとどまらず、人類学、歴史学、国際関係論、映画研究、メディア研究、フェミニズム研究に巨大な影響を与え、ポストコロニアル批評という分野そのものを創出した。「表象は中立ではない」という認識は、現代の多文化主義やアイデンティティ政治の前提となっている。

【なぜ今読むか】

中東情勢、移民、観光、アニメの「異国描写」など、身近なコンテンツにもオリエンタリズム的な構図は潜んでいる。自分が無自覚に引き受けている他者像を点検するための、必読の古典である。

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