フィロソフィーマップ

何が大事か

なにがだいじか

デレク・パーフィット·現代

義務論・功利主義・契約主義を統合する野心的な後期パーフィットの主著

Amazonで見る
倫理哲学

この著作について

オックスフォード大学の哲学者デレク・パーフィット(1942〜2017)が2011年と2017年に三巻として公刊した、現代倫理学の最大の試みの一つ(原題『On What Matters』)。前作理由と人格(1984)から27年を経て発表された大著で、パーフィットの倫理思想の集大成である。

【内容】

本書の中心テーゼは「三重理論(Triple Theory)」と呼ばれる。カントの普遍化可能性、規則帰結主義、スキャンロン的契約主義は、適切に修正されると同じ結論に収斂する、すなわち「合理的に望むことができ、合理的に拒否できない原理」を支持するという主張である。三大伝統の対立を超えて、それらが共通の山を異なる側面から登っていることを示そうとする壮大な試み。第一巻はカントとシジウィックの再構成、第二巻はメタ倫理学的実在論、第三巻は批判への応答と人物的同一性論の続き。

【影響と意義】

発表時から英米倫理学界で最大級の論争を巻き起こした。シェリー・ケーガン、フランシス・カム、コルスガードら主要倫理学者が長文書評を寄せた。倫理学の三大伝統を統合する試みは前例がなく、メタ倫理学的実在論の新しい擁護として今も活発に議論される。

【なぜ今読むか】

倫理学の根本問題に正面から挑む野心的書物。パーフィットが亡くなる直前まで書き続けた思想の到達点を辿れる稀有な機会である。

Amazonで見る