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持久戦論

じきゅうせんろん

毛沢東·現代

日中戦争の戦略を三段階で構想した毛沢東の軍事論

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政治アジア

この著作について

毛沢東が1938年5月、延安の抗日軍政大学で行った連続講演をもとに同年8月にまとめた軍事論書。日中全面戦争開始から1年、当時支配的だった「速勝論」と「亡国論」の両方を退け、長期戦による抗日勝利の戦略を理論的に提示した、毛軍事思想の代表作である。

【内容】

中国と日本の国力差、兵力・装備・国際環境の両面を分析し、戦争を「戦略的防御」「戦略的対峙」「戦略的反攻」の三段階に区分する。初期には都市と交通線を失いつつ、広大な農村に拠点を築いて遊撃戦を展開し、敵の兵力を分散・消耗させる。中期には敵の攻勢限界点を超えさせ、後期に正規軍による総反撃で勝利を得る、という段階論が核心である。「戦争は政治の継続である」というクラウゼヴィッツ的定式を、人民戦争論として書き直す。

【影響と意義】

ベトナム戦争のヴォー・グエン・ザップ、キューバのチェ・ゲバラ、アフリカ諸国の独立運動、中南米のゲリラ理論に広く影響を与え、20世紀後半の非対称戦・対反乱戦理論の基本文献の一つとなった。

【なぜ今読むか】

テロと非対称戦の時代、大国が小国を屈服させきれない現象を分析するうえでも、本書の枠組みは依然として有効である。

著者

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