命
『命題論』
めいだいろん
アリストテレス·古代
命題と真偽の論理を初めて体系化したアリストテレス『オルガノン』の第二書
哲学
この著作について
アリストテレスの論理学著作集『オルガノン』の第二書で、『カテゴリー論』に続く論理学的議論の基盤を整備する論考。古代ギリシアにおける命題論理の体系的始まりをなす記念碑的作品である。
【内容】
名辞(onoma)と動詞(rhema)の区別から出発し、それらを結合した最小単位である命題(apophansis)の構造を分析する。命題は肯定または否定のいずれかであり、真または偽の値を取る。全称・特称・単称の量化、肯定・否定の質、そして対立命題(矛盾・反対・上下対立)の関係が体系化される。第9章の「海戦論」では、明日海戦があるという命題について、未来の偶然的事象の真偽を問う。決定論と自由意志の原問題が古代にすでに鋭く提起されていた。
【影響と意義】
ストア派の命題論理、中世の様相論理、ライプニッツの普遍記号学、現代の記号論理学まで、西洋論理学の体系はすべて本書の問題設定から出発している。「海戦論」の真理値問題は現代の様相実在論論争の古典的参照点。
【なぜ今読むか】
論理と時間、真理と自由の関係を最も古く最も鋭く問うた古典として、今なお深い示唆を持つ。