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西田幾多郎《にしだきたろう》:生きることと哲学

にしだきたろう いきることとてつがく

藤田正勝《ふじたまさかつ》·現代

西田幾多郎の思想と生涯を描く入門書

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哲学入門

この著作について

日本哲学研究の第一人者・藤田正勝《ふじたまさかつ》が、西田幾多郎《にしだきたろう》の生涯と思想を不可分の一つの流れとして描いた入門的評伝。

【内容】

本書はまず、石川県に生まれた西田が金沢の第四高等学校で鈴木大拙《すずきだいせつ》らと友情を結び、京都帝大の哲学教授となるまでの歩みを丁寧に辿る。そのうえで、処女作善の研究の「純粋経験《じゅんすいけいけん》」、中期の自覚の体系、後期の「場所の論理」と「絶対矛盾的自己同一」という三つの主要段階が論じられる。これらは、子や妻との死別、戦中の苦悩、宗教的体験、田辺元との論争といった実人生の出来事と交差させつつ説明される。晩年の「私の論理について」や生後最後の論考までが視野に収められている。

【影響と意義】

西田哲学の入門書は数多いが、伝記と思想を並走させる構成は希少である。人生の具体的経験が哲学的抽象としてどう結晶していくかを読者に体感させる点で、他書にない独自性がある。田辺元、西谷啓治《にしたにけいじ》、三木清《みききよし》、久松真一《ひさまつしんいち》ら京都学派の後続者を理解する足場としても貴重である。

【なぜ今読むか】

難解とされる西田哲学を、一人の人間の生きた経験から立ち上がる思想として味わえる。日本独自の哲学とは何かを問いたい人、悲しみや苦悩を思考の糧に変える営みに惹かれる人にとって、得難い伴走書となる一冊である。

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