日
『日本思想大系33 伊藤仁斎《いとうじんさい》 伊藤東涯』
にほんしそうたいけい33 いとうじんさい いとうとうがい
吉川幸次郎・清水茂(編・校注)·現代
仁斎学研究の基本テキストを集めた岩波の思想大系
哲学
この著作について
1971年に岩波書店から刊行された日本思想大系の第33巻である。江戸の古義学派を代表する伊藤仁斎と、その嫡子伊藤東涯の主要著作を、吉川幸次郎と清水茂の校注のもとに集めたアンソロジー的な研究資料集である。
【内容】
本巻は、仁斎の主著『語孟字義』、文集『古学先生文集』からの抜粋、そして東涯の儒学史『古今学変』を中心に収める。原文には精緻な校注が施され、難解な漢文や思想史的背景に踏み込むための学問的足場を提供する。仁斎・東涯父子の思想形成を、テキストに即して辿ることができる構成となっている。
【影響と意義】
本書は日本における仁斎学研究の基本テキストとして長く参照され続けている。アンソロジーであるが、選定と校注が研究水準を反映するため、本書を通じて何が「仁斎学の核心」と見なされてきたかが分かる。岩波の日本思想大系全体が戦後日本の思想史研究の枠組みを規定したことから、その一巻としての影響力も大きい。
【なぜ今読むか】
古典のアンソロジーが研究の方向を決めてしまう構造を意識しつつ、それでも一次テキストに最短距離で近づく手段として本書は今もなお有効である。仁斎・東涯を通じて近世日本の思想史を学ぶ最初の一冊にふさわしい。
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