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ニュー・アトランティス

フランシス・ベーコン·近代

科学技術の共同体を描いた近世ユートピア小説

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哲学科学

この著作について

フランシス・ベーコンが晩年に執筆し、彼の死後1627年に遺稿として公刊された未完のユートピア小説。ノヴム・オルガヌムなどで構想された科学的方法論を、社会制度の形で描き出した作品。

【内容】

南洋を漂流したヨーロッパ人船員の一団が、キリスト教を受容した謎の島「ベンサレム国」に漂着する。島の中心には「ソロモンの家」と呼ばれる大規模な研究機関が置かれ、そこでは天文・気象・鉱物・動物・植物・医学・機械にわたる組織的な実験と観察が行われている。研究者は専門分野ごとに役割分担され、観察者、編纂者、解釈者、実験者などが協働して自然の秘密を解明し、その成果を社会に還元する。

【影響と意義】

近代科学の制度化を先取りした構想で、17世紀後半の王立協会(ロイヤル・ソサエティ)の設立や、以後の科学アカデミー、研究機関の組織モデルに大きな影響を与えた。科学技術によって社会を改良するという近代特有の信念の、最も早い記念碑的作品である。

【なぜ今読むか】

科学と社会の望ましい関係をめぐる議論は、AI、バイオテクノロジー、気候工学などの時代にますます重要になっている。科学者はどのような共同体のなかに置かれるべきかを問うための古典として読みたい。

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