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名指しと必然性

なざしとひつぜんせい

ソール・クリプキ·現代

可能世界意味論の革命を起こした言語哲学・形而上学の現代古典

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言語哲学

この著作について

プリンストン大学・ニューヨーク市立大学の哲学者ソール・クリプキ(1940〜2022)が1970年にプリンストン大学で行った三回の連続講義をもとに1980年に刊行した(原題『Naming and Necessity』)。

【内容】

クリプキは、固有名(「アリストテレス」など)が記述(「プラトンの弟子で…」など)に還元できると考える記述説(フレーゲラッセル・サール)を批判し、固有名は対象に「rigid designator(指示固定子)」として直接結びつくと主張する。これは「歴史的・因果的説明」によって支持される。命名儀礼によって与えられた名前は、その後の使用者の連鎖を通じて元の対象を指示し続ける。さらに、必然性と先天性の区別を確立し、「水=H₂O」のような後天的必然性、「ヘスペラスは明けの明星」のような後天的同一性を主張した。これは形而上学・心の哲学(同一性説批判)にも巨大な含意を持つ。

【影響と意義】

20世紀後半の分析哲学を分水嶺で割った最重要著作の一つ。ヒラリー・パトナム、デイヴィッド・カプラン、ジェリー・フォーダーら同時代の哲学者に決定的影響を与え、可能世界意味論、自然種実在論、心の哲学の現代的議論枠組みを設定した。

【なぜ今読むか】

言語と現実の関係を考える最も鋭い議論。AI言語モデル(LLM)の意味理解問題を考える際の不可欠の参照点。

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