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私の個人主義

わたしのこじんしゅぎ

夏目漱石·近代

漱石が学習院で行った「個人主義」をめぐる講演録

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哲学日本

この著作について

夏目漱石が1914年に学習院の輔仁会で行った講演録で、漱石の思想を端的に示すテキストとして広く読まれる。

【内容】

漱石はロンドン留学時代の苦悩を振り返り、西洋文学研究という他者のものさしで自分を測っていた時期の行き詰まりを語る。あるとき彼は「自己本位」という立脚点に思い至り、精神の安定を取り戻した。この個人主義は利己主義ではなく、他者の自由を同じように尊重する倫理的基盤の上に立つものである。義理や党派心ではなく、自分の頭で考え、他人にも同じ権利を認める—それが漱石の「個人主義」であった。お金・権力・義務と個人の関係も具体的に論じられる。

【影響と意義】

明治末期から大正にかけて「個人」が日本社会の課題となるなかで、本書は日本的個人主義の古典的定式を提供した。丸山眞男《まるやままさお》ら戦後知識人も繰り返し参照し、現代の自己決定論・倫理教育の文脈でも読まれ続けている。

【なぜ今読むか】

他人の評価や周囲の期待に引き裂かれて生きる現代人に、「自己本位」という確固たる出発点を示唆する。短い講演録ゆえに一気に読めるのも魅力。

著者

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