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モノロギオン

カンタベリーのアンセルムス·中世

アンセルムス初期の主著。神の存在を独白形式で論証

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スコラ学神学

この著作について

中世スコラ学の祖の一人カンタベリーのアンセルムスが、1076年頃に著した初期の主著である。岩波文庫(長澤信壽訳)などで邦訳が入手でき、平凡社の中世思想原典集成にも収録される。

【内容】ベック修道院の同僚たちの求めに応じ、聖書の権威に直接訴えることなく理性のみによって神について語ることを試みた独白形式の著作である。被造物に見られる善の度合いから最高善としての神へ、存在の度合いから最高存在者《そんざいしゃ》としての神へと段階的に論証していく。さらに神の本性、三位一体の合理的解明、神と被造物の関係などにも踏み込み、後の体系神学の基本枠組みを先取りしている。

【影響と意義】続編プロスロギオンで展開される存在論的論証(神の本質から存在を導く)の前段に位置づけられ、両書併せて中世における理性と信仰の関係を考える出発点となった。「理解を求める信仰(fides quaerens intellectum)」という標語的立場の最初期の実践でもあり、スコラ学的方法の源流をなす。

【なぜ今読むか】信仰と理性の関係を問い直す現代の哲学的神学において、本書は今なお参照される。神について理性で何が言えるのかという根本問題に、簡潔ながら骨太な仕方で取り組む姿勢に触れられる一冊である。

著者

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