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マルティン・ルター

徳善義和·現代

ルターの生涯と宗教改革を描く評伝

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宗教入門

この著作について

ルター派神学者・徳善義和《とくぜんよしかず》による、宗教改革の中心人物マルティン・ルターの評伝(岩波新書)。

【内容】

本書は、農民の家に生まれたルターがエルフルトで修道士となり、ヴィッテンベルク大学で聖書講義を重ねるなかで、「信仰のみ(ソラ・フィデ)・聖書のみ(ソラ・スクリプトゥラ)・恵みのみ(ソラ・グラーツィア)」という改革原理に到達する過程を描く。贖宥状販売への抗議から生まれた九十五箇条の提題、ヴォルムス帝国議会での有名な「ここに立つ」、ヴァルトブルク城でのドイツ語聖書翻訳、農民戦争への屈折した態度、修道女カタリナとの結婚と家庭生活、晩年の粗い言葉までが、一貫した視座で追われる。

【影響と意義】

プロテスタンティズムの成立史を日本語で簡潔に学ぶための標準的入門書であり、西洋近代の形成を理解するうえで不可欠の一冊である。ドイツ語の俗語化、家族観、労働倫理、国家観の近代化にも射程が及ぶ。

【なぜ今読むか】

神学者自身の手による評伝ならではの、原典への目配りの確かさがある。ルターの粗野さや矛盾も隠さず記しつつ、信仰の原体験を内側から伝える筆致が印象的で、一人の人間が「自分の良心」で立つことの重みを考えさせる。

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